脳回路から自閉症を見分ける人工知能
生物学的・脳科学的に根拠のある診断・治療は困難だった自閉スペクトラム症(ASD)の状態を、人工知能を使って脳回路から見分けることができるバイオマーカーを世界で初めて確立したと報じられました。
ASDとは周囲との円滑なコミュニケーションを築きにくくなる障害で、日本国内におよそ100万人(100人に1人)が該当する発達障害です。ですが、その診断は診断は問診や行動観察が主体となり、診断に多くの時間と手間を要すること、他の発達障害や精神疾患との鑑別が難しい場合があることなどが問題となっています。
この診断が実用化されれば、早期発見して幼少期から本人に合わせた環境づくりが可能となります。また、障害年金の観点からも、診断が確立されれば今まで傷病が確定されていなかった人でも受給される可能性が高まるかも知れません。
【参考記事】
・“自閉症” 脳の働きの違いを人工知能で特定(NHK NEWS WEB:2016年4月14日掲載)
・自閉症を脳回路から見分ける先端人工知能技術を開発(ATR:2016年4月14日掲載)